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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第6話 決意
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違う。倉庫を整理している人なんかじゃない。
誰かがいて、何かをされている。どう考えても嫌がっている声だ。
警察に通報した方が……いや、でももし怪我をさせられそうになっていたら?間に合うだろうか。
それに警察が来るまでの間に何らかの“こと”が終わってしまった場合、犯人が逃げてしまったら?
でも、俺が行ったところでできることは何もない。
…………。
────今まで、誰かの役に立ったことなんてほとんどない。
頼まれればやれるだけのことはやったけど、それは結局“都合の良い存在”でしかなくて。
俺のこのくだらない正義感を振りかざしたところで、意味なんてないのかもしれないけど。
それでも────
こんな俺でも、少しだけでも誰かのためにできることがあるのなら。
俺は振り返り、音と声のした倉庫のような建物めがけて走り出した。
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