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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第30話 邂逅
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「お前料理上手いんだな!味つけが俺の好み!」
「ほ、ほんと……?」
天宮は目をキラキラとさせながら興奮気味に語っている。
俺の味つけはいつもわりと適当なんだけど、今日どんなだったっけ?甘くしたんだっけ?
いつも適当に料理してたのが悔やまれる。
「誠もかなり上手いけど、なんかお前のはそれよりもっと……」
「っ……」
不意に出た誠、という単語に体がぴくっと反応したけど、気づかれてはいないようだ。
なんでもないように次の言葉を待つ。
「────温かい」
その言葉と同時に、さぁ、と暖かい風が吹いた。
温かい、って……
「もう冷めてるけど……」
当然朝作ったものなので卵焼きも、他のおかずも冷めきっている。さっき慌てて味見としていた卵焼きを試しに一口食べてみるけど、やっぱり冷たい。
「はは、そういうことじゃねえよ」
「……っ」
俺のその様子に、天宮は心底おかしそうに笑った。
また新しい表情だ。今度は本当におかしくて笑ってるように思える。
というかさっきから口調が大分大雑把になってる気がするけど、やっぱり薬のせいで情緒不安定だったりするのだろうか?
……そういうことも含め、調べていかなきゃいけないのだろう。
「……あのさ」
「……優?」
惚れ薬についていろいろ考えようと決心して口を開いた時、後ろからドアの開く音と誰かの声が聞こえてきた。
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