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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第58話 ご都合主義
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駅にはすでに青木の母親が車で来ていて、青木はそれに乗って颯爽と帰っていってしまった。
「……」
「……」
なんだか、天宮と二人きりになるのは久しぶりな気がする。と言っても天宮といる期間自体がまだまだ短いわけだけど。
なんとなく気まずい雰囲気になりながら、電車へ乗り込む。
「また混んでる……」
「ライブ帰り直撃みたいだな……」
駅に向かう人の数でも何となく察していたけど、電車は行き同様かなり混んでいた。天宮の言う通り、ライブを楽しんだ帰りのようだ。
興奮冷めやらぬ人たちが口々に、やれあの演出が良かったやれ生はテレビで見るよりかっこよかっただのと語っている。
青木は乗らなくて正解だっただろう。キツい坂道に、あいつとの相手ですでに疲れているところにこれは行きよりも酔いが酷くなったかもしれない。
「春くん、大丈夫?」
「俺は平気……ってうわあ!?」
そしてどこかで体験したような大きな揺れで、いつかと同じように俺はバランスを崩したのだった。
……この電車、都合よすぎない?
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