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真司の決心
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「…司…真司…おはよ」
真司の額をチュッとキスをして蓮が真司を起こす。
「‼︎蓮、今何時⁉︎」
ガバッと起きた真司が時計を確認すると午前7時半。
昨日、蓮がもう一度寝たのは確か午前4時…
「蓮…何時に起きたの?」
「ん?6時ぐらい」
じゃあ、あれから寝たのって2時間だけ⁉︎
「蓮、昨日あんまり寝てないんじゃない?」
「そんな事ないよ。真司と一緒だったから、よく寝れた」
ニコリと蓮が微笑むと、
「真司、早く用意しないと遅刻するよ」
もう一度額にキスをして部屋から出て行った。
朝食を済ませ、お互い『いってきます』のキスをしてから、先に真司がマンションを出た。
が、会社までの時間配分を間違え、かなり早めに店についてしまう。
店の鍵も持ってないしな…
「あれ?先輩、今日も早いんですね」
次にやってきたのは松野だった。
「家を出る時間間違えてしまって…」
「俺でも出勤早い方なのに…先輩…彼女さんの家からですよ…ね…」
松野の表情が曇る。
彼女…が…
俺が付き合ってたの、今まで女の人だったから、そうなるか…
「…まー、そうだな…」
「先輩は、その人と…」
松野が何か言いかけた時、真司の携帯がなった。
『もしもし、真司』
「ん?」
『今日、合鍵持っていくの忘れてるよ』
「‼︎」
慌てて鞄の中を見たが、やっぱり合鍵が入っていない…
『今、真司の店の近くにいるから、取りに来られる?俺が行ってもいいんだけど…真司、仕事場の人に見られるの…嫌だろう?』
真司の気のせいかもしれないが、蓮の声が寂しそうに聞こえた。
蓮は俺に気を使って、みんなに俺が同性と付き合っている事を気付かれないように…
蓮は何も悪いことしていないのに…
蓮の気持ちを考えると、真司の気持ちもが切なくなった。
蓮だけが寂しい思いをする事じゃない…
二人で乗り越える事だ…
真司は決心した。
「今後輩いるけど、蓮が良ければもってきてくれる?」
『え⁉︎後輩いるのに⁉︎』
「いいよ。こいつには俺が付き合ってる人の家に居候してるって事も言ってあるし」
『‼︎』
明らかに電話の向こうの蓮が驚く気配がした。
「だからいいよ。持ってきて。蓮」
俺が男性と付き合ってるって松野が知ったら、
引かれるかもしれない…
気持ち悪がられるかもしれない…
それでも、俺は蓮が大事だ。
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