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蓮と松野の出会い
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しばらくして、蓮が真司と松野のところへやってきた。
どこかどう見ても男性で、しかも長身のイケメンだ。
蓮をみた松野は驚き目を見開く。
「真司…これ…」
「わざわざありがとう」
蓮は真司に合鍵を渡す。
松野は驚きのあまり言葉を失う。
蓮はそんな松野の様子を見て、気まずそうにしていた。
「じゃあ、俺はこれで…」
蓮はさっとその場を立ち去ろうとした時、
「蓮、もし帰りが遅くなりそうだったら連絡して」
真司が蓮に声をかけると、蓮は嬉しそうに振り返り微笑んだ。
「松野…びっくりしただろう?俺、蓮と…同性と付き合ってる…」
正直、松野の反応が怖い…
怖いけど、誰かに本当のことが言えて、何故だかホッとしている。
真司はそんな不思議な感覚になっていた。
「先輩…男の人と…付き合ってるんですか?」
松野は真司の方を見ずに、ずっと蓮の背中をみつめたままだ。
「ああ…」
「でも先輩、前付き合ってた人って女性でしたよね…」
松野は蓮の背中から目を逸らさない。
「蓮と付き合うまで付き合ってきた人は女性だった…だから、同性と付き合うのは今回が初めてで…」
真司はこちらを全くみない松野に語りかける。
「……俺は何してたんだろう…」
「え?」
松野の呟きの意味がわからず、真司が聞き返すと、
「先輩、これ持っててください!」
「⁉︎松野⁉︎」
驚いた真司をおいて、松野はぐっと自分の鞄を真司に押し付けると、蓮の方へ走って行った。
松野は前を歩く蓮の方に走っていくと、蓮に何か話し、真司の方へ戻ってきた。
「先輩。俺、諦めるのやめます!」
松野はそれだけ真司に宣言すると店の中に入って行った。
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