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第3章ー01 上司のオファー
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一週間後。
朝から内線が鳴りっぱなし。
保住は頭が痛い。
「ですから、その件については、昨日もご説明いたしましたが」
相手がしつこいので、いい加減に嫌になる。
受話器がちゃんと乱暴に押し付けると、関連資料を抱え上げて席を立つ。
「室長、どちらに?」
大堀は、まだまだ見てもらいたい書類があるので、困った顔をするが、そんなことはお構いなしだ。
部下の面倒も大事なのだが……。
「すまない。今日は副市長がうるさい。黙らせてくる」
上司からのオファーに答えない部下はいない。
仕方のないことだ。
澤井のところに行く時は、必ず通りがかりに田口の肩に触れる。
田口の肩に手を置きながら、保住は安齋を大堀を見据えた。
「おれが帰ってくるまで勝手なことをしてくれるなよ。お前たち」
彼は、そう言い残すと姿を消す。
それを見送ってから大堀は、背伸びをした。
管理する者がいなくなると、すぐに羽を伸ばすタイプだ。
「なんか今日の室長、ギスギスしているよね〜」
大堀の言葉に返す者はいない。
安齋は黙々とパソコンに何かを打ち込んでいるし、田口も然り。
「つまんないの」
彼はぶすくれて、渋々とパソコンに向かい直した。
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