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スラックスの上からでも分かるほど濡れて脈を打ち、ゼロの指先が触れただけでビクンっと震えて射精してしまった。
「んあぁ、あ……んぅ……ふっ」
濡れる不快感と羞恥に涙が出る。
自分がこんなに淫乱だとは思わなかった。
果てたにも関わらず熱はまだ固いままで、手の感触を求めて腰が揺れてしまう。
まるで心と身体が引き離されたみたい──
「鈴……泣くなよ。大丈夫、媚薬のせいだから」
「ぅ……ゼロぉ……」
鈴の不安は手に取るように伝わるから、涙を零す目元を中心にキスを落としつつ、ゼロの手がスラックスを脱がす。
「足、上げて……そう……立てるか?」
優しくゆっくりと促す声に従い、片足にスラックスを引っ掛けたまま膝立ちをする。ゼロを跨いだままの体勢で熱が彼の前に晒されると、パクッと口に含まれた。
「あっ、はぅ……っあ、あ」
嗅覚が過敏な上に一度射精しているせいで、刺激が電流のように敏感に身体を駆けていく。
俯けば口に銜えるゼロが目に映り、自分の熱がどんな風に愛撫されているのかを見てしまう。舌で擦られて、甘噛みされると犬歯が当たり、熱から白濁が塊のように出てしまった。感覚のみならず、ゼロの口の端から零れる光景に、視覚でも認識をして息を飲む。
それだけでも果ててしまいそうなのに、足を支えていた手が薄い肉付きの双丘に触れて息づく奥を晒した。突然外気に触れた驚きにビクンっと上体が崩れ、屈んだゼロの背中に爪を立てる。
「ゼ、ゼロ、だめ……っ、両方しちゃ、や……ぁっ」
そんな言葉とは裏腹に、無意識に揺れる腰を止められない。ゼロの口腔に自分で挿入を繰り返し、淫らな水音に首を横へ振る。
今、この行為に愛なんてあるのだろうか。
自分はただ、熱の捌け口に恋人を利用してるだけなのではないだろうか。
「ふ、ぅ……っめ……ごめ……ゼロ……ぁ、ああっ」
止められない腰を動かしたまま、何度もゼロに謝る。そして前立腺に指先が触れた瞬間、二度目の射精をした。
脈に合わせて零れていく間も固さを残したままで、とりあえず口の中のものを飲み込んだゼロが顔を上げる。ポタポタと頬を伝って落ちる鈴の涙を拭いながら、安心させるように微笑んだ。
「何で謝るんだよ? 媚薬のせいにして良いって言ったろ」
「でも、俺、は……自分の、快楽、ばっかり、追ってる……気が、して……はっ」
「それは俺の事が好きだから感じてんだろ。もっと委ねていいから」
ゆっくりと身体を下ろされて向かい合わせにされると、ペロッと涙の浮かぶ目元を舐め取られて。そのせいで視線が唇を追ってしまう。
縋った先のゼロの身体が冷たくて、やけに現実離れしていた。身体が焼けるようなこの熱さも夢なのではないかと。
──ゼロはこんな熱に堪えていたのか……
熱くて、身体の奥から渇いてる感覚が思考を鈍らせる頭の片隅で、どこか冷静に客観視している。
発情、という言葉は適切だ。ゼロが傍にいるだけで、その香りに身体がゾクゾクと震えてしまう。
以前、人間は本能に飲み込まれてしまいやすいと言っていたのを思い出した。
──それなら……
彼の言う通り委ねてしまえば良い。夢でも現実でも、彼への愛で焼かれているのなら良い。
そう思ったら、目の前の唇へ噛み付くようにキスをしていた。身体の冷たさに反して温かい口腔に安心する。舌が痺れるほど夢中になって絡め、呼吸が追い付かなくなって離す。
「は……っ、もぅ、い……れて……」
「大丈夫なのか?」
「も……っ、苦し……っ、熱いの……っ」
額がくっついた距離で、途切れ途切れに懇願する。
熱い吐息が互いの唇をくすぐり、濡れた鈴の唇を了承の意を含めて啄んだ。その間にスラックスを寛げたゼロは、その熱の上に両手で掴んだ鈴のお尻を落とす。
「ふ……ぅっ」
「……力抜いてろ」
「ん……ああぁっ、ひ、ぅ……あっ」
痛覚も含め神経が麻痺してるのか、挿入時の広げられる痛みや異物感もなく、ただ一つ、快楽だけが身体を走る。
体重もかかっていつもより深い場所でゼロの熱を感じて。慣れない感覚に目の前のゼロに縋り、ギュッと抱き締める。
「鈴……動くぞ……?」
耳元で囁く甘く掠れた低い声と熱い吐息に息を飲み込み、無意識に何度も頷く。
「ん……は、ぁ……あぁ、あぅ……やっ、あぁっ」
始めは浅く、徐々に激しく揺さぶられて、思わず高い声を上げてしまった。それを優しく困ったように笑ったゼロが、浅く揺すりながら顔を覗き込む。
「キスで塞いでようか?」
「ん……っ、ぅん」
もう言葉にはならないから、問いかけに二回頷いて答え、近付く顔を唇を薄く開いて待つ。ふわりと柔らかく塞いだキスとは逆に、それに合わせて再び律動を激しく変えたゼロも、恐らくはもう余裕がない。
上がる声は何度も角度を変えながらゼロの口の中へ飲み込まれ、抑えきれない快感が身体を走る。ぐっと奥に強く当たった瞬間、後頭部を押さえられ一際高い嬌声が飲まれた。ビクビクと震える痙攣と締め付けに、ゼロも鈴の中で果てる。
「っ……ふぁ……は、ふ……ん……んぅ、ふ……」
唇が離れて肩で呼吸をする鈴の背を撫でるゼロの手が気持ち良く、どんな感触も愛撫に変わってしまう身体がまた熱を持ってしまった。
「ぁ……ゼロ、また……っ」
終わりの見えない自身の状態に戸惑う空気を感じ、しがみつく鈴の髪を優しく梳く。
「ちゃんと戻るから……大丈夫、傍にいる」
「ん、ゼロ……ゼロ……っ」
優しい手つきに欲情してしまう自分が浅ましくも我慢できず、無意識に腰を揺らし始めてしまう。
無我夢中で腰を振って、その先の快楽を追ってるただ獣みたいなセックス。
本能のままにゼロの熱を追い、いつの間にか意識は闇に飲み込まれていた。
「……ん、ここは……」
重たい瞼を上げて見えてきた景色を、暫くぼんやりと見つめる。冴えてきた頭がようやく自分の部屋だと認識して、現状を把握しようと重たい腕を持ち上げて見ると、着替えまでしてもらったようだ。
身体はもう焼けるような熱さはない。
気だるい身体を動かして寝返りを打つと、枕元に置かれたメモに手が触れる。
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