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16. 3
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「何でそんな事知ってるの?」
俺は驚いてタロウの顔を見上げた。
「暇だからね~ 最近は千里君の事も
良く見てるんだ」
「ストーカーだな」
「別に悪さはしてないよ~
でも千里君見てると、死神でも切なくなるんだ
晃太が思ってるよりも、ずっとずっと
悩んで、苦しんでる。かわいそう…
俺が言える事じゃないけどさ」
「…苦しんでる?何で?」
「うーん…それは俺が言ったらダメな気がする
気になるなら本人に聞いてみたら?」
「なんだよそれ…」
その日は眠るまで胸のドキドキが止まらなかった。
タロウの事、千里の事…
考え出したら止まらなくて、夢なのか現実なのか
分からなくなっても朝まで続いた。
ー 俺は…どうしたらいいんだ…
・
・
・
タロウから千里の話を聞いてから、小さな事も
気にして千里の様子を見ていたけれど、特に
悩んでるような姿は見つからなかった。
タロウの言ってた事が信じられなくなるほど
千里は普通の友人になっていた。
学校では気づくと一緒にいて、時々休みの日も
勉強したり遊んだり…。
だいたい、いつも笑顔で、元気無さそうだったり
落ち込んでたりしたら、何か悩んでるの?と
声もかけやすかっただろうけど、そんな素振りは
全く見せなかった。
そんな日々が続いていた時だった。
「彼女できた」
「へ?」
クリスマスを目前にしたある日
唐突に千里から告白された。
「え、誰?ってゆうか好きな子いたの?」
「同じ塾の子。告白されて…まぁ嫌いでもないし
付き合ってみてもいいかなって思ってさ」
「へ、へぇ…」
驚いて思考が停止した。
俺は千里の部屋でマンガを読んでた。
「え、どんな子?写真ないの?」
俺が聞くと、千里が携帯の画面を見せてくる。
そこには、千里と頬を寄せ合って写る女子の姿。
頬に被る長めの黒髪と、大きな目が
印象的な、綺麗というよりは可愛い女子だった。
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