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どうしよう?!
15歳の真矢(まや)は、震える手で顔を覆った。微熱が続き、近所の診療所で検査を受けたのだ。
「熱が続くという事は、何らかの細菌に感染している可能性があるからね、念のために血液と尿検査をしよう。」
単なる病気だと思った。
でも、お医者様は併せて属性の検査をした。
「それとご両親がβだからね、一応、属性の確認もするよ。そろそろ属性が分かれる時期だからね。」
体は男性として成長している。
ついこの間、精通もしたのだ。
「先生・・・。」
「大丈夫だよ。可能性の問題だからね。」
細菌に感染しているようであれば、抗生物質を投与する。
だがΩとして目覚めて、子宮の形成が始まった事による反応であれば、投与する薬が変わるから必要な検査だ。
そう説明された。
「Ωなら国家公務員として働く事ができるからね、そう怖がることもないんだよ。それにαかもしれないし。」
クラスの友達のうち数名が、毎年Ω属性だと分かって連れて行かれた。
引っ込み思案の真矢にとっては、知らない場所に連れて行かれる事は恐怖でしかない。
「・・・どうしても検査を受けないといけませんか?」
「さっきも説明したように、薬が変わるからね。それに、16になったら全国民受けないといけない義務だ。一年早く検査しても問題なかろう?」
俯くしかなかった。
大丈夫、おれはβなはず。
熱でボゥッとしているのは、単なる感染症だ。
検体を採取された後、ロビーの端に隔離された。
目の前には空気清浄機が置いてある。
ぶぅんと唸るそれを見つめながら、結果が出るのを待っていた。
「梅木さん、梅木真矢さん。」
「はい。」
どれくらい経っただろう。
名前を呼ばれて顔をあげると、看護師さんが微笑んでくれた。
「お母さんはお仕事なのかな?」
ドキッとした。
「・・・はい。」
「お父さんも?」
ああ。
これは、多分・・・。
居なくなってしまった友だちの机を思い出した。
おれ、きっと・・・。
「じゃあ、連絡先を教えてもらえないかな?」
きちんと話せたか、記憶にない。
真矢は震える手で、そっと顔を覆った。
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