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暴食の森と呼ばれているここら一帯は、モンスターレベルが入り乱れ、溶かすことしか脳の無いスライムのあとにワンブレスで魂を持ってくキルドラゴンが現れたりする。
ユアの耳と鼻が無けりゃ、Bクラス、本来なら街が見えないくらい離れたクエストに参加も出来ないレベルの俺じゃここに来ようなんて思いもしない場所だ。
噛んでも噛んでも、不味さしか感じない厄介な肉を食べ終えたユアは、掌に息を吐いてクンクンと匂い「くさーぃ」と顔を歪める。
へニョへニョ耳は、ペタリと頭にそって折れて固定。
黒いポンチョの下から覗いている尻尾は、毛を逆立てたまま左足に巻き付いている。
ユアは、街じゃ耳を隠すためにずっとフードを被りっぱなし。
なんだかんだと文句は言ってるが、ダンジョンにいる方がユアはいきいきして見える。
市場には出回らない耳と尻尾付きの獣人。
御貴族様の愛玩動物として有名だが、俺達庶民がお目にかかることは滅多に無い。
帝都に行けば、着飾って人間と散歩してる姿も見えるらしいがそれも噂。
俺達低下層の人間は、護衛なんて雇えない。
モンスターと野盗に襲われるリスクが高くて、街から街への移動もままならない。
ユアとの出会いは、半年前。
ギルドから、密輸商人摘発の集団クエストの依頼を受けたときに出会って以来、俺に引っ付いてきて離れない。
獣人なんて俺みたいなのが手元に置いていたら、襲われてあっという間にユアは拉致されると思ってたんだけどな。
撃退するのに一度アレを使ってから、ピタリと止んだ。
ユア曰く、「獣人は、一生に一人にしか懐かないのさ」ってことらしいがその真偽の確かめようは勿論俺にあるわけない。
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