アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
..
-
「おい、見たか?昨日のニュース」
「隣のクラスの阿部、Ωだったらしいけど、例の病気で無性になったから対象外なんだってよ」
次の日の学校では制定された法の話題で持ちきりだった。
「おはよ、颯月。お前も知ってる?昨日の」
「おはよ。あぁ、ここに来るまでも他のクラスのΩがどうとかって話してんの聞いたよ」
谷野颯月(ヤノサツキ)、高校二年生。
良くも悪くも成績、運動共に平凡なβ。
両親もβで、周囲にΩは居ない。
だから、昨日の法制定だって、そこまで意識していない、けど。
「それにしても情報回るの早いな」
ここまで話題に上がっていると、意識をしていなくても情報は耳に入ってくる。
「まぁ、元々ウチの学校にいるΩも数人だしな。それより…実はあの法でΩ以外にも、一部の優秀なαは施設に連れていかれるって噂もあるんだよ」
「αが…?あの病気はΩにだけ毒性があるんじゃなかった?」
「いや、αは病気のせいじゃなくて、保護されたΩと番いになるために行くんだとよ。ほら、生徒会長って有名な家の子息でαだろ?だから連れて行かれるんじゃないかって、ファンクラブの奴が話してた。」
確か、ウチの学校にも何人かαが居て、中でも生徒会長は成績優秀で家柄も良い。
αの中でも一目置かれる存在だった。
「…優秀すぎるのも大変だな」
「ははっ、相変わらず他人事だなぁ。まぁ俺達には関係ないけど」
関係がない、筈だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 27