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「…もし、俺が病気に感染していて、無性になってたらどうするんですか?」
「発情期が来ていない未成熟のΩは病気には感染しない事が判明したので颯月様の生殖機能には問題ないかと。」
「…そうですか。」
冴木さんに言われるがまま、最小限の荷物だけを持ち、家の前に止まっていた黒い車に乗り込む時、母さんは一言だけ、「元気でね」と、震えるように声を絞り出した。
その時に気付いた。
もう、逃げられない。
もう、家には戻って来られないことを。
次に車が止まったのは、家から3時間ほど離れた場所だった。
「ここが、颯月様がこれから暮らす施設になります。」
山奥に新たに建てられたのか、木々の真ん中に不自然なほど真新しい大きな建物。
白く高い壁が施設を隙間なく囲い、通ってきたであろう大きな門の前には数人の警備員が配置されている。
「施設内には、寮、学校、病院だけでなく、複数の店舗もございます。その他必要な物は申請をして頂ければ、取り寄せも可能です」
その口調はまるで、ここからは出るな、と言われているようだった。
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