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…そう言われれば、そんな気もする。
「それが初めての発情期の前兆だよ。颯月くん、ずっと顔色が悪いし…」
「自分の顔見たか?真っ白だぞ」
自分の性を知ったことへのストレスかと思ったけど…
道理でいつもより気分が悪いわけだ。
ふとタグに目をやると、そこに書かれているのはΩであるという診断と、『未』の文字。
「つまり、体調不良から発情期に移行したらこの『未』って文字が変わるのか?」
「いや、それは発情の有無じゃなくて番いの有無だよ。」
「…ここに来た目的は番いを見つけること、だったよな?もし、番いを見つけることが出来たらここから出られる?」
「…それは分からない。病気がある程度終息したと言っても、まだ完全に解明された訳じゃないし…でも、番いがいるΩは抗体薬が効きやすく、病気の影響を受けないなんて話もあるの。少なくとも今の生活より自由になるんじゃないかな。」
「…そっか」
今だって、自分がΩだと、心の中では納得できない自分がいて、
頭の中は分からないことだらけで。
でも。
歩夢が言うように、どの道Ωには番いが必要。
生きていくためにも…。
母さんにもう一度会うためにも…。
俺は、いろんな感情が入り交じり、小さく震える手に気付かないフリをして、歩夢達の話に耳を傾けた。
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