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沈む意識の中、温かい何かに体を撫でられるような感覚に重い目蓋を開くと、
見慣れない部屋の天井が目に止まる。
「いっ、」
起き上がろうと起こした頭は、
腰の痛みですぐにベッドへと引き戻された。
「悪い。加減はしたんだが…」
その声に、バッと視線だけ下へ向けると、
透き通るようなあめ色の、切れ長の双眼がこちらをじっと見ていた。
瞳の色と同じ髪は癖がなく、無造作ではあったが、まるで作り物かのような端正な顔から近寄りがたさを緩和している。
思い浮かぶ姿とは少し違うけれど、
この顔には見覚えがあった。
見間違えるはずはない。
こんなに整った顔をした人物は、彼しかいない。
「一ノ瀬、匡…」
イチノセキョウ。
話したことのない俺でも、彼の存在は知っている。
「そうか。君も明高の生徒か」
俺がこの施設に連れて来られる前に通っていた高校で生徒会長だった男。
同じαさえも一目置く、αの中のα。
そんな彼が…?
「…一ノ瀬さんが、俺の、番い…?」
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