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久しぶり、そう言いながら現れた一ノ瀬さんは、
高校帰りなのか制服のままで、俺がイメージする生徒会長だった。
「颯月君がこれを?」
「…はい。口に合うか分からないですけど…」
心配する俺とは裏腹に、減っていく料理たち。
どうやら、それなりに口に合ったようだ。
そして驚いたのは、一ノ瀬さんが料理をしたことが無いということ。
…まぁ考えてみれば、料理をする機会が無いのは当たり前かもしれない。
寧ろ、家に使用人が居るという話を聞いて妙に納得した。
「小さい頃から両親は仕事で家を空けていることが多かったから、
こうやって誰かと外食以外で食事をしたのは久しぶりだよ。」
「良かったです。…もし、俺で良ければいつでも作りますよ」
そう話す一ノ瀬さんは、どことなく楽しそうで、
気付けば、そんなことを言っていた。
「…ありがとう。」
俺の言葉に少し驚いた表情を見せた一ノ瀬さんは、あの日と同じように困ったように笑った。
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