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シの色8※ちょっとグロいかもしれません
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指が折れていないだけ良いと男は思った。
酷い時は、顔中痣だらけの時もある。
今回は、腕だけで済んだらしい。
その腕には、青痣や爪痕が無数についている。
噛み痕も滲んでいるが、
これはヴァンパイアである男が噛んだ痕ではない。
繰り返しつく深い傷に、
腕の肉や皮膚は分厚くなり、色さえも変化していた。
シは、発情期が来る度にどこかに閉じこもって、
ひたすらにその時間がすぎるのを耐えるらしい。
男は、シが呼び覚まさない限りは、
棺から出る事が許されないので、その期間を知る事すら出来ない。
ただ、痛々しいシの身体をこうしてさすってやる事すら出来ない。
いつも傷ついた彼をみる度に無力を感じる。
「あまし、無理しなや」
細くて綺麗な指先が、汚い腕を滑らかに撫でる。
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