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ガタガタ揺れる馬車の中。
4日間滞在した宿は、もうずっと向こう。
「ゆっくりできたな」
「クスッ、本当ですか? ずっと動いてた気が」
「部屋からは出ていないだろう。十分ゆっくりできた。
身も心も満たされたしな」
「ふふふ、そうですね」
隣の肩へ体を預けると、労わるように頭を撫でられた。
「この揺れは身体に響かないか?」
「はい。セグラドルの服は、ユカタと違い繊維も細かく柔らかいので」
「そうか…少し残念だな……」
「あははっ、素直ですね」
「夫以前に男だからな、俺は」
若干照れながら話すアーヴィング様の頬に、手を添える。
なんだか前より距離が近くなったような気がする。
2人だけの時間を過ごしたからか、濃密な時間を過ごしたからか……
(どっちも、かな)
「しかし、ますます気が置けんな」
「? どうしてです……っ、」
サワリと撫でられる、子宮の上。
「これだけでも感じれるようになったんだ。
もうリシェには指一本触れさせられない」
「誰も触ってきませんよ。ロカ様は別ですが。
そもそも番以外に触られるのはすぐ拒否反応が出ますので、大丈夫です」
「そういう問題じゃない。拒否反応云々の前に、近づくことすら禁止するかもしれん」
「えぇっ、それは勘弁してください!
今くらいが丁度いいです、僕も引き続き気をつけますから、ねっ?」
「……はぁぁ…」
大きな背が、丸まりながら溜め息を吐く。
それもなんだか可愛らしく見えてしまって、苦笑した。
後少しでこの国を出る。
そしてセグラドルに着いたら、休暇が終わる。
(楽しかったな)
初日からやらかしてしまったが、いい引き金になったのかもしれない。
帰ったら陛下に報告だ。
旅の内容まではしなくていいだろうけど、出歩いてないから色々バレてしまいそう。
お土産は宿でたくさん買えたから、城のみんなに配るのが楽しみだな。
ロカ様にも話をしなきゃ。きっとロカ様も温泉を気にいるはず。次は陛下たちが行けるといいな。
それから…それから……
心地よい馬車の揺れで、段々瞼が落ちてくる。
それに気づき、そっと上着を掛けてくれた大きな手。
ふわりと香る匂い。
抱き寄せてくるあたたかな体温。
全てがただ 幸せで。
ぽかぽかの陽気の空の下
番の存在を感じながら、ゆっくり思考を手放したーー
100,000アクセス記念: リシェとアーヴィングの温泉旅行
fin.
ありがとうございました!!
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