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謝るなうぜェ
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俺は及先の声がしてから流れるように教室の中へと入った。
パッと顔を上げて及先の顔を見ると、予想外にも、ピシッと立ったまま眉を八の字にしてこちらを見つめていた。
「一体なんなんだよ…」
俺は思わず、奴には聞こえない声量でこう呟いてしまった。
「あぁ、又木、よお。」
なんだコイツ、急によそよそしいな、昨日のこと忘れてんのか?鳥かよ。
「なんの用だよ。」
俺は多分、今人生の中で1番ムスッとした顔をしていると思う。
「その、、あの、、」
マジでなんなんだ?めちゃくちゃ女々しいぞ、キメェ。
相変わらず及先は眉を八の字にしたまま、俺と目を合わせようとしない、、
と思ったのもつかの間、突然顔をバッと上げ、こちらに目を合わせたと思うと、先程までのお前は誰なんなんだと言いたくなるほどどデカい声量をあげた。
「昨日は本当にすみませんでした!!!!!!」
「は?」
及先の急な謝罪に、俺はこう声をあげる他なかった。
だって、まさかこんな、プライドの塊のような男が、脅してくるような奴が、こんな謝罪をしてくるとは思ってなかった。
そりゃあ教師が生徒にレ〇プなんて、本当なら謝っても許されないことではあるけども。
「マジで、本当に俺、頭おかしかった。すまなかった。お前を好きってのは本当だけど、気持ちわりぃよな、ごめん。」
は?好き?こいつ俺の事好きだなんて言ってたか?
あぁ、確かに「ヒトメボレ~」とかは言ってた気がするな。
もう俺2年だけど。及先も俺が入学した時いた気がするけど。
そんなことはどうでもいいんだわ、、
「はぁ、お前、昨日と言ってること違いすぎねぇか?」
「本当にごめん」
謝ることしか出来んのかこいつは
「もう、いいわ、二度と謝んな。」
「わりぃ」
「人の話聞いてるか?」
こいつは教師だが数学が専門なのでどうも日本語は苦手らしい。
「とにかく!相手が俺はだったから良かったものの、、俺以外だったら一生のトラウマを植え付けてたぞ、アホクソ教師」
「お前以外にはしない」
「んなことはどうでもいいんだよ!!」
ずっと頭を下げているこいつを見つめながら、俺は説教を垂れ流す。なんで生徒が教師を叱んなきゃなんねぇんだ、、
「もういい、俺は行くから。本気で俺を惚れさせたいならもっと考えろばーか」
あっかんべーをしながら俺は教室を出ていった。
「…なんであいつあんなに可愛いんだ?」
割とデカめのこの声は、誰の耳にも入ることはなかった。
一体この男は、本当に反省しているのか……
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