アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
朝
-
「はぁぁぁぁ……。」
朝が来てしまった…。今回は1回だけだったからそんなに体はだるくないけど気持ちの問題ですっげえ気分上がらねぇ……。
「どったの優真、らしくなくそんなため息ついて。」
同室の相田が心配のしの字もないような調子で声をかけてきた。
「まあ色々あんだよ。」
「ふーん。あ、そういえば昨日優真D棟いた?トイレから出てきたの見かけたんだけど。その後及先せんせーも出てきてたな。」
うっそだろ、こいつもいたのかよ!?
普段放課後はまじで人気ないとこなのに…。
取り乱したり変に嘘つくと後々面倒だからな、ここは正直に言うのが1番だ、よし。
「え?あぁ、まあ、いたけど…お前はなんでいたんだよ。」
「俺?俺は英語の小テスト悪すぎて1人だけ再テスト〜。岡田のやつ、わざわざD棟にまで呼び出さなくていいよな〜?」
こんなにヘラヘラしながら言ってるが、あんな簡単な小テストで再テストって、こいつよく進級できたな…。あ、ちなみに岡田っていうのは英語教師で……ってのはどうでもいいんだよ!!
「あっそ、相変わらずお前は勉強からっきしだな。」
「まあ俺スポーツ推薦だし!陸上だけは誰にも負けねーよ。逆に優真は見た目に反して勉強できるよな〜、運動もできるけど。」
相田は嫉妬とからかいを含んだ目でジトっと俺を見てきた。
「お前が勉強出来なさすぎなだけだろ。運動だって全国常連のアイダクンには全く敵いませんよ〜だ。」
「へへん、だろ〜?」
と、俺が相田を少し褒めるようなことを言うと得意げに胸を張った。
「で、結局なんでD棟いたんだよ?」
…全然話そらせてねーじゃん、、、、
わざわざ褒めてやったのに話戻すな……!!
俺が再テストってのも嘘くさいし……
「なんでそんなに気になるんだよ…ってうわ、時間やべーじゃん、お前も早く支度しろ!」
「えー、なんか話しそらされた感ある〜って、ほんとにやばいじゃん!!」
普段朝にこんなに話すこともないので何とか話題を持ち越すことに成功した。
でもこいつの事だからまたいつ聞いてくるか分からない、なにかいい感じの嘘を考えないとな…
「おはよー。」
「そういえばお前漫画返せよな!」
いつもより少し遅れて教室に着けば、いつも通り挨拶や雑談が飛び交っている。
俺は昨日と今朝の心身の疲れですぐさま机に突っ伏す。
今の席は1番廊下側の前から3番目で、目立たない席だから楽だ。
キーンコーンカーンコーン
朝のチャイムがなるとこれまたいつも通り担任が……
!?!?
な、なんで及先が?!
「及先先生だ!なんで?」
「相変わらず朝からイケメンかましてんな〜」
なんて周りでは歓喜の声があがるが俺の心は死んだ。
「はい、静かにー。おはよう。今日は担任の福原先生が出張だから、SHRと7限のLHRは副担の俺がするから、よろしくな。」
「よろしくお願いしまーす!!」
及先がそう言うと、いかにも狙ってますみたいなクラスメイトがそう言った。
「じゃ、出欠とるから。」
軽くそれに反応したあと、及先は空席をチェックし始めた。
はぁ、なんで今日よりにもよってLHRがあるんだよ、週に一回だけなのに!!
しかも数学もあるし。数学自体は普通だけどこいつが教え役だとな…
「じゃあ、これで終わります。」
俺が頭の中でぶつぶつ文句を言っているといつの間にか終わったらしい。解放された気分だ。
「又木。」
ん?何だか横から及先の声が聞こえた気がしたがきっと気のせいだろう。
「又木?」
…さっき及先が教室から出ていくのを俺は確実に確認した。
「又木!」
「はぁ、なんだよ!目立つからわざわざこんなとこで声掛けんな!」
これ以上無視しても永遠に声をかけて来そうだったので、廊下の窓から話しかけてくる及先に小声かつ語気強めで返した。
「別にいいだろ、用があるんだから。」
「…なんだよ。」
「一限数学でプリント沢山持ってこなきゃいけねーから手伝って。」
「なんで俺が…」
そこまで言って、クラスメイト、廊下にいる生徒にぼちぼち注目され始めていることに気づいた。
これ以上及先と話しているところを見られたらめんどくさい。…仕方ない。
「…わかった。」
「それでよし。着いてこい。」
「偉そう過ぎるな…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 13