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目覚め
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-Free side-
やっと2人の無駄話に区切りがついた…
「で?こいつか、ぶっ倒れたってのは!」
「あぁ。みてやってくれ。」
「分かったよ。あ、そうだ持病とか持ってたりする?」
「玲は記憶喪失なんです。人生の半分以上一緒にいた人の事を忘れてる。」
「俺の弟の事な。」
「え、マジか…」
「橘先生、玲が倒れた理由って何なんすか!?急に倒れるなんて考えられるんすか?」
龍馬はずっと気になっていた事を保険医に聞いた。
「うーん…倒れた原因か…………記憶喪失となると…忘れたいほど嫌な出来事があったのか?…ブツブツ」
龍馬からの質問に面倒くさがりな保険医ながら真剣に考える。
橘がこんなに真剣になる事なんて滅多に無い。全く無いのだ。
そんな橘は小暮井が重みのある問題を誰にも相談せずに抱えていたことに1人の友人として苛立ちを覚えていた。
自分の意見が固まったのか、橘は真っ直ぐ龍馬を見た。
「欠落した記憶ってのは、大体自分が忘れたい、思い出したくないほど嫌な記憶なんだと思う。本当に思い出したくないような記憶を思い出したら自分が傷ついちゃうだろ?自分が傷つかないように記憶を思い出す前に自己防衛、つまり今回で言うと、気絶することで無意識的に自分で思い出さないようしてるんじゃないかな?まぁ、即席の説明だし、俺は精神科医や心療内科医じゃないし、俺の持論にすぎないからあまり宛にしないでね?」
「いや、その説は濃厚だと思いますよ。と言うより、完璧な持論じゃないですか!?」
「俺もそんな感じするなぁ…橘に賛成だ!」
龍馬と小暮井は橘の意見に意義はないようだ。
橘は眠る玲翔の隣の椅子にゆっくりと腰掛けた。
「そう言って貰えると、自信が持てるよ。
あ、そう言えば君ら授業大丈夫?もうすぐ始まるけど…」
「あ…/あぁぁあ!!「「ヤバイ!!」」
息ピッタリでそのセリフを言うと、2人は勢いよく保健室から飛び出して、1人は1年S組へ…もう1人は職員室へとBダッシュしたのだった。
その後、静寂と化した保健室で残された橘は玲翔の診察を続けた。
心拍数、脈拍、呼吸には異常は見られなかった。
「おーい、大丈夫かー?? いや、大丈夫じゃないよな…」
橘はそう言った。
「んん…」
すると、玲翔のまぶたが少し動き、ゆっくりと開いていった。
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