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送って行くことを蓮に伝えると「ありがとう」と言ってコーヒーを啜ったが、何となく落ち着かない雰囲気になった。
「どうした?」
「………」
「緊張する?」
「…うん……やっぱり今日は行けないかも」
「無理することないけど、行くだけ行ってみたら?」
「くすり、飲んでくる…」
「ん、使用量は守れよ」
蓮にはこういうことが週に1回はある
いつもは薬を飲めば大丈夫になるとこが多いし、学校やバイトもそうやって何とか続けてきた
20分ほど経って出発時間になると蓮はすっかりいつも通りになっている
「そろそろ出ようか」
「うん」
道中は他愛のない話をした。
バイトでこんなお客さんがいたとか教授がこんな話をしていたとか。
「ほら、着いたよ」
「……」
「無理そうか?」
「……いく」
「ん、じゃあ頑張れ。
帰りは駅前のロータリーで待ち合わせよう。終わったら連絡して」
「ありがとう、いってきます」
蓮は車を降りて少しふらついたように見えた
やっぱり止めた方が…と思ったが、友人に声をかけられて一緒に建物に入っていったから大丈夫だろうと信じて車を発進させた
今日は大学のキャンパス内でイベントがあるとかで、午後は一般の学生は立ち入り禁止になるらしい。
確か2限の終わりは12時10分だったから…
一度家に帰り、簡単に掃除と洗濯をして再び家を出た
ちょうど駅に着く頃、蓮からLINEが来た
『今終わったよ』
『駅まで歩いていくね』
「了解」
と送信して駅前のロータリーに車を停める
まだ12時半。今日はどこに行こうか。
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