アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6
-
蓮と幸せな休日を過ごした週明け。
出社直後に部長に呼ばれた。
「何でしょうか」
「白井に新人教育の担当をお願いしたいんだけど」
「それって決定事項ですか?少し考えるとかは…?」
「うーん、まぁ、自分の成長の機会でもあるしさ。それに変に断ったら査定に響くよ?」
脅しに近い説得を受けて断ることはできないと悟った
「わかりました。」
「じゃあよろしく、詳細は担当の内田から聞いて」
「はい。失礼します」
会議スペースのドアを閉めて内田のデスクに向かった
内田に「新人教育の担当になった」と声をかけると、簡単に新人教育のスケジュールを説明される
やはり残業も休日出勤も多くなりそうだ
「トレーナーの心得も聞いとく?」と言われたが遠慮しておいた
うちの会社は4月に入社してから2か月ほど名刺の渡し方やメールの書き方・電話の取り方といった社会人のマナーを勉強する新人研修があり、そのあと配属部署が決まる。
配属されてからは各部署によって教育方法が異なるが、うちの部署は一人一人にトレーナーが付いて、年度末まではトレーナーの下で仕事をする。
今週は顔合わせと簡単な打ち合わせだけで、本格的に始まるのは来週からだ
俺の担当する斎藤海月(さいとうみつき)という社員は、研修の記録に服装や態度にチェックが入っている。去り際に内田に「今日飲みに行こう。その子のこと詳しく教えるよ」と言われた。
厄介なやつに当たったらしい
めんどくさいな
仕事が終わったのは午後8時。
内田はもうすでに店に入っているみたいだ。
スマホを確認すると蓮から「家行ってもいい?」とLINEが入っていた
何かあったのか心配になって電話をかける
特に何かあるわけではない、といった口調だったが蓮が自分からうちに来ることは少ないからやっぱり何かあったんだと思う
「早めに帰るよ」と告げて電話を切り店に入る
内田が手を挙げたのですぐに場所が分かった
席についてビールと少しつまむものを注文する
「それで?」
「斎藤海月は正直言って問題児だよ」
「具体的には?」
「こっちの話は聞かないし、聞いてないくせに質問が多い」
「はあ。服装にチェックが入ってたのは?」
「服の露出度が高い。あときつい香水をつけてくる。
注意すると気にしすぎなんじゃないですかとか言われてさ」
「それはちょっと気になるな」
それからしばらく内田の情報提供(愚痴)が続いた後、今日は月曜ということで、お開きになった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 89