アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
12
-
駐車場から出ようとしたとき、蓮から『居酒屋』の一言だけが返ってきた
もしかしたらまだ話しているのかもしれない
蓮のバイト先の近くにコンビニがあったでそこで待つことにした
一時間経っても連絡は来なかった
もうそろそろ終わっていてもおかしくない
ゲリラ豪雨のような大雨が降り始めたので車を動かして蓮を探す
居酒屋の裏で小さくなっている蓮を見つけて、濡れるのも気にせず大急ぎで駆け寄った
「蓮!」
少し触れるだけで蓮はかなり体が冷えているのが分かる
周りを確認してから蓮を抱えて車に戻りすぐに走り出し帰路を急いだ
帰宅してすぐ蓮を先に風呂に入れる
着替えて洗濯機を回し、昼ご飯を考えるべく冷蔵庫を開けると2人分のチャーハンと野菜炒めとスープ用と書かれたジップロックが入っている
ジップロックには野菜とウインナーが入っていた
気づくと蓮がキッチンの入り口に立っている
「先に風呂ありがとう」
「ううん、昼ご飯の用意してくれてたんだね」
「うん」
「ありがとう。蓮大好き」
「……うん」
「じゃあ俺も風呂入ってくる」
「うん」
シャワーを浴びながら何があったのか考える
帰りの道中でも「何があったの?」と聞いてみたが返事はなくただ俯いている蓮の手をそっと握ることしかできなかった
蓮には抱え込んでほしくないが上手に聞き出してあげられるだろうか
風呂から上がると誰もいないような静けさがある
嫌な感じがして慌てて服を着てリビングに行くと、端の方で声を押し殺して泣いている蓮がいた
なるべく優しく声をかける
「れん?なんかあった?」
蓮は小さく首を振る
「しんどいのは吐き出してほしいな」
これにも首を振る
一人で抱え込むつもりのようだ
話を変えてみる
「ご飯食べられる?」
少し時間を空けて小さく頷いた
手を引いてソファーに移動させ、昼ご飯の用意をする
蓮が用意していてくれたおかげで10分ほどで完成した
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 89