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side.蓮
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浩太は自分の家族を紹介してくれた後、俺のことを「恋人」と紹介した
そしてなんと「ゆくゆくは結婚したい」と家族の前ではっきり宣言している
なんと言われるか怖くてぎゅっと目をつぶると浩太が手を握ってくれた
「素敵な人を見つけたわね」
「蓮君よろしくね」
真紀さんと真奈さんはすぐに答えてくれた
悠太さんはニコニコしているけど何も言わない
逆にそれが怖かった
「じゃあ改めて。かんぱーい!」
という真紀さんの声で宴会は再開した
酒が進んでもみんな顔色一つ変わらない
浩太と同じで酒に強いのだろう
俺は相変わらずコーラだった
しばらくして打ち解け始めたかなという頃、悠太さんに聞かれる
「……浩太も蓮君も幸せ?」
「うん」
浩太は即答した
「蓮君はどう?幸せ?」
「…はい」
「俺、教会のあるホテルで仕事してるからいろんなカップルを見るよ。法律が改正されて同性婚が認められてから15年経っても、偏見や差別の対象になっているのが現状だ。結婚式を家族にぶち壊された人や家族と縁を切って会社も辞めさせられたって人もいた。」
「ちょっと、悠太」
真奈さんが制しても悠太さんは止まらない
「俺は心配だよ。俺らは理解もするし応援もする。でも蓮君の家族は?友達は?会社は?」
何も言うことができなかった
悠太さんの言う通り、法的に同性婚が認めれられてからも偏見は根強く残っている
「蓮の家族には時間がかかってでも認めてもらえるようにしたいと思ってる」
と先に口を開いたのは浩太
「それ以外は何でもいい。
うちの会社には前例があるし、蓮が入社する予定の会社も同性カップルには寛容だよ」
何で知ってるの?と聞きたかったが話がそれないように黙っている
「蓮君はどう思う?家族からも友人からも未来の勤め先からも拒絶されたら?それでも浩太と優先したいと思える?」
「……」
言葉に詰まってしまう
どうしよう
思いはあふれるのに言葉が出てこない
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