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ほとんど会議が終わっていたことからその場で解散してホテルに戻った
自社への報告などを一通り終わらせた後、ホテルの従業員が部屋のドアをノックした
「失礼いたします」
「はい」
「爆破事件のことで当ホテルも緊急の避難場所として使用することになりまして…」
「それで?」
「お客様がもしよろしければ他のお客様と相部屋をお願いしておりまして。」
「それっていつまでとか、あるんですか?」
「帰宅難民、特に圏外にご自宅があるお客様を優先してご案内しておりますので、お客様のチェックアウトまでとなります」
いやいやいや
それはないだろ
このベッドと小さな机しかない部屋で他人と2人で過ごすなんて無理だ
「すみません。
月曜日からここでテレワークが始まることになっているんです
職業柄リモートの会議も多いので難しいです」
「そうでしたか。わかりました
大変失礼いたしました」
あからさまに肩を落とし次の瞬間にはしっかりとお辞儀をして去って行った
きっとみんな断っているんだろう
今どれくらい部屋が埋まっているのか知らないが相部屋してくれれば二倍は入るもんな
夕方、鈴木さんの提案で園田さん・鈴木さん・佐藤君と月曜日からの仕事についてビデオ会議した
会議、というのは俺たちが定時まで仕事をしましたって言うためにそういう名目にしているが実際はただのおしゃべりだ
会議の途中、蓮からLINEが来ていることに気付いた
『夜ごはん一緒に食べよう?』
『ん?』
『俺今日は帰れないよ』
『ビデオ通話しよ』
『一人でご飯食べるのは寂しいかなって』
『ああ、ありがとう
そっちに合わせるよ
何時?』
「おいー、白井~」
「あっ、はい!」
「顔、にやけてましたね」
「噂の恋人?」
「はい」
「絶対帰ったら紹介してください!」
佐藤君は帰宅できなくなった寂しさよりホテル生活できることの嬉しさでテンションが高い
もしかしたら不安な気持ちを取り繕っているだけかもしれないけど。
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