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電話を終えてリビングに戻ると蓮がソファーに寝転がっていた
眠いのかな?
「蓮ねむい?」
「んーん」
「どうした?なんで泣きそうなの?」
「んんっ…」
隣に座って抱きしめると膝の上に跨ってキスされた
首をハムハムと甘噛みされるのがくすぐったい
蓮がこういうことをする時は大抵酔っている時だけだ
膝に乗ってくれることはあっても自分からキスすることも耳や首を甘噛みすることも無い
不謹慎だとは分かっていても、本能的に求められているような気がして嬉しくなる
何度か首にチクリとした痛みを感じた
明日、キスマークだらけだろうな
しばらく抱き合っていると、蓮がゆっくりと喋りだした
「ぼく、ダメな子だから、こうたにきらわれちゃうの」
息が詰まる
拙いのに鋭い言葉はきっと俺ではなく自分自身に向けられているのだろう
「蓮はダメな子じゃないよ
俺が嫌いになるって言ったの?」
「いってないけど、きらわれちゃう」
「頼まれても蓮のことは嫌いにならないよ」
「んー…?」
理解出来ていない訳では無いと思うが、今の蓮は色々なものを素直に解釈できない事はこの2日間でよくわかっていた
受け付けないのではなく、受け取れないというのが正しいと思う
「今何を考えてる?」
「ぼくの、おとうさんとおかあさんね、いそがしいの」
「うん」
「おうちかえってこない」
「うん」
「おかあさんは、おとうさんといっしょ
だからぼくとさら、いつもいっしょ」
小さい頃のことだろう
紗良ちゃんの面倒もよく見ているところを見ると、子供としてちゃんと甘えられた期間は短いのかもしれない
「こーたはね、いつもやさしい
でもね、いつかバイバイなの」
「なんで?なんでバイバイするの?」
「ぼく、だめなの
…だから、バイバイされちゃう」
「しないよ」
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