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見世物
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先に沈黙を破ったのは俺だった。
「なぁ…」
「ん?」
「俺って、どのくらい寝てたの?」
「あぁ、今日が4日目の朝だ」
「4日か。俺、4日間もの間見世物みたいに寝てたんだ」
「違う!お前は見世物なんかじゃない!」
「は?こんなの、どうみても見世物だろうが!」
「……」
樹が唇を噛み締める。
それを俺は自嘲気味に笑うしかなかった。
「なぁ、センター長の言ってた診察って、センターカンファだろ?」
「あぁ」
「そっか…。なぁ樹。悪いんだけど、それまで1人にさせてほしい」
「…、分かった。でも何かあったら、すぐコールボタン押せよ?俺隣の部屋にいるから」
すぐ近くに感じていた樹の気配が遠のき、
やがて、ドアの閉まる音がすると
俺はハッとして
いる訳のない樹の姿を探す。
「ハハ……、なんだよ、ほんとに居なくなるんじゃねーよ」
俺の頬を一筋の涙が伝った。
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