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顔合せ 準備
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リストには、一樹さん以外にも6人分の名前と年齢と職業に住所、そして相性の確率が記載されていました。
リストを見る限り、確率8割以上でマッチングされたとみなされいるようですが⋯降順で並んだ数字の流れに逆らって、一番最後に載っていた一樹さんと僕の相性は95%とダントツでした。
それなのに、ただ一人網掛けで除外の文字が名前の隣に添えられていました。
特記事項には、凛太郎君の誕生日と代理出産の文字。
どの機関と情報共有が行われているのかはわかりませんが、一樹さんはどうやら代理出産をしたことでこのプロジェクト対象から強制的に外されてしまっていたようです。
僕にとって鷹司家と一樹さんは、心の拠り所にしている存在です。
拠り所にし過ぎて羨ましさのあまり、凛太郎君に家に遊びに来いと言われても、四人が揃う場に自分が交じるなんてとんでもないと、頑なに拒んで近づかないよう気を付けているくらいなんです。
だから、もし一樹さんに番が出来たら、四人の関係が崩れてしまうのではないかとほんの少し不安に思ってましたけど⋯そうですか、そう言うことだったんですか。
もし鷹司グループと関係するようなαが一樹さんと番になってしまったら、代理出産という立場を悪用して仕事を優位に進めることだって考えられますからね。
番プロジェクトは、そのリスクを考えて一樹さんを除外したんでしょうけど。
一樹さんが、凛太郎君のご両親に「俺もお前らと同じくらいお似合いな番と出会ってやる」と言っていたこと。
恋人が出来ても保証の無い番になる勇気がもてず、フラレて泣き上戸になって凛太郎君に絡んだ夜が何度もあったこと。
僕は凛太郎君伝いに、一樹さんが自分の番に憧れていることを聞いてるんです。
もし、一度も案内が届かない一樹さんが事務局に問い合わせたらこのことを知ってしまうんでしょうか。
凛太郎君を産んだことを後悔する日が来てしまうんでしょうか。
四人で幸せそうに笑っている姿は、見られなくなるんでしょうか。
背筋が震え、ゾッと寒気が頭からつま先まで走りました。
⋯そんなことは、させませんっ
決意を固めた僕は、渋るお祖父様を説き伏せ、一樹さんだけを僕の番候補として顔合せに招待することに成功しました。
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