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同棲 作戦
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凛太郎君に言わせると、無自覚に見せた行動で一樹さんに僕がαだと意識させるのが一番効く、そうなんですよね。
好きだ好きだと正面からぶつかっても、年の差を盾に息子扱いされて躱されるのが関の山。
「あれ?もしかして暁のこと好きかも?」と、自然と自分で勘付くくらいにしないと男として見てもらえないだろうって。
正直よくわからなかったんですが、凛太郎君のこの作戦には一樹さんの幼馴染でもあるみなみさんも参加して下さってるんですよね。
引っ越しの挨拶を終えて僕達が去った後、凛太郎は和平さんとみなみさんに僕が幼稚舎の頃から一樹さんのことを好きなんだと力説してくれたそうで。
和平さんは疑ってましたが、みなみさんは応援団に回ってくれたんです。
心強い味方です。
僕と一樹さんは、建前では番候補としてプロジェクトに参加中で第2段階へ進んでいます。
だから、周りの目があるときは、一樹さんもそれらしく見えるように振る舞って下さいますが、家の中ではそうする義務なんてありません。
でも、この作戦を実行する為には他人行儀のままではダメなんですっ
「何気なく出てしまうものなので、慣れは必要なんですよ」と、もっともらしいことを言って、家の中でも疑似番のように僕は振る舞います。
と、言うか、そう振る舞ってしまうんですよ。
αの本能って怖いものです。
手に入れたいΩが目の前にいたら、触らずにはいられないんですよ。
そのうち押し倒してしまわないか不安で不安で。
一樹さんの発情に合わせて僕は実家に帰っていたんですが、もしもこの間に他のαが一樹を慰めていたらどうしようとか考えてしまい、13歳で夢精が頻繁になると妄想の敵を相手に牙まで伸びてしまったんです⋯追い詰められた僕は、苦手な和平さんに相談しました。
番にしたいと思える相手にまだ出会えていない凛太郎君より、適任だと思ったので。
聞いて下さってる間、和平さんはとても難しい顔をされてましたが。
話し終えるとゆっくり息を吐き出して一言。
「αはどうしようもないな」
そう言って微苦笑。
多分、初めて同志だと認めてくださった瞬間でした。
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