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魔法魔術講座3
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「魔法ってのは、自分が持っている魔力を精霊に差し出してお願いをすることで、精霊の力を引き出して現象を起こすものでな。要は、魔力は精霊に渡す対価なんだよ。つっても、俺も魔法は使えないから具体的なこととかはいまいち判らねェが、まあ、取り敢えず魔力を対価に精霊の力を借りるものだってことが判ってりゃいいだろ。あとは、……そうだな。今のところ人間が扱える能力で魔法を越えるものはない、とかか」
「魔法が一番すごい、ってことですか?」
あの、帝国の軍人だとかいう男が使った空間魔導とやらも、相当に強力な力のように思えたのだが、魔法はあれよりもすごいことができると言うのだろうか。
「今のところ、な。正直、俺らも帝国の魔導がどの程度発展してるか知らねェから何とも言えねェが……。少なくとも、腹立たしいことに、魔術が魔法を越えられることはないだろうな」
「そう、なんですか?」
少年の言葉に、グレイが頷いた。
「魔法は、そのルーツが神そのものである力だからな。……神は知ってるよな?」
「……ええと……」
金の王城で二人の王から神についてのなんとなくの説明を受けたような覚えはあるが、正直詳しく覚えているかというと、とても自信がない。
少年が曖昧な微笑みを返せば、グレイは数度瞬きをした後、深くため息をついた。
「お前、神も知らねェのかよ……」
「……すみません……」
「エトランジェの俺よりも知らないって相当だぞ……」
グレイの言葉に、やはり少年は曖昧な微笑みを浮かべた。
諸所の事情があって、レクシリアの秘書官になるためにたゆまぬ努力をしたグレイと違い、少年は刺青の勉強以外のことはほとんどしてこなかったので、知識が少ないのも仕方がないことなのだ。それに、少年だって元は魔法適性者の少ない遠い地から来た人間である。この地の人々よりも魔法に関する知識が少ないのは、当然のことだった。
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