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魔法魔術講座6
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「んで、これはまあついでだから覚えなくても良いんだが、こういう魔術を金属器に転写する技術のことを錬金術、魔術が転写された金属器のことを魔術器って言う。そんでもって、魔術の発動と転写ができると、錬金魔術師って呼ばれるようになる訳だ」
「転写……?」
「通常、魔術ってのは、魔術式を書き終えると同時に自動的に発動しちまうもんなんだが、それをうまいこと抑え込んで、未発動のまま金属器に封じ込めるのを、魔術の転写って言う。じゃあ魔術を転写した魔術器がどんな物かっつーと……、例えば、俺が今つけてる指輪とかがそうだな。ほら、指輪に赤い石がついてるだろ? これは火の精霊の力を秘めた魔術鉱石で、リングの内側に俺が刻んだ魔術式に呼応して魔術が発動できるようになってる。簡単に言うと、これを使えば、さっき空中に魔術式を書いたみたいな工程をスキップして、即座に発動できるんだ。これは俺用に組んだ魔術式だから他の奴が使うのは難しいが、自分以外も使用できるような一般向けのものを作ることもできる。つっても、他人が利用できるようにするとなると、どうしても発動する魔術の威力やら精度やらは落ちちまうが。ま、取り敢えず、ほとんどの魔術師は自分で作るなり人から買うなりして魔術器を持ってて、それを使って魔術を行使する場合が多いってことが判ってりゃ良い」
詳しいことはやっぱりよく判らないけれど、魔術というのもまた難しそうなものなんだなぁ、と少年は思った。少なくとも、勉強したところで少年が扱えるようになるとは思えない。
「こんな感じで、俺たち魔術師が風を起こそうとすると、魔術鉱石を消費した上で、魔術式を描くか魔術器を使うかしなきゃならねェんだが、魔法師がさっきみたいなそよ風を起こそうとした場合、大抵は、風霊、ってひとこと呼びかけるだけで済む」
「え、魔法って確か、呪文? 詠唱? みたいなものがありましたよね……?」
そう言ってから、少年ははたと思い出した。そう言えば、あの炎の王も、詠唱などなしで魔法を発動していたような気がする。どういう仕組みなのだろうか。
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