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魔法魔術講座7
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「そこら辺は感覚的なものらしくて俺も詳しくないんだが、リーアさん、……ロンター宰相が言うには、魔法ってのは精霊にするお願いごとみたいなもの、らしい。詠唱っていうのは、目上に対して丁重にお願い申し上げるのに似ているんだとさ。使いたい魔法に対応する精霊の加護が弱い人間、まあ、魔法適性が低い人間のことだな。そういう奴は、ちょっとした魔法でも詠唱をして丁寧にお願いせざるを得ない。だが、精霊の加護が強い人間は、もっと気軽に頼み事をしても聞いて貰えるから、わざわざ詠唱をするまでもない、っつー話だ。例えば、うちの王様なんかは火霊魔法の適性が最高ランクだから、ほとんどの火霊魔法は火霊の名前を呼んだだけで発動できる。それだけで、何をして欲しいんだか察した火霊が勝手に実行してくれるんだ。たまに詠唱することもあるみてェだけど、あれは大体が火力調整のためにしてるんだろうな。もともと魔法は火力やら発動範囲やらの調整が難しいせいで、詠唱することできちんと意思を伝えないと予想外のことをされる場合もあるみてェだから」
「……ええと、仲が良い精霊が関わる魔法は簡単なお願いで発動できるけど、あまり仲が良くない精霊が関わる魔法の場合はきちんとお願いをしなきゃいけない、ってことですよね……? あと、あの人の火霊魔法適性が最高ランクってことは、魔法適性にもランクがあるってことですか……?」
おずおずと尋ねた少年に、グレイはがしがしと頭を掻いた。
「あー、そうか。そうだよな。それも知らねェよな」
そう言ってから、グレイは一度黒板に書かれた文字やら図やらを全部消してから、新しい文字を書き始めた。
「魔法適性には、各四大精霊に応じて上から順にSSS、SS、S、A、B、C、D、Eっていうランクがある。ランクが上がるほど、その属性の精霊魔法を使う際の魔力消費が少なくなり、使える魔法の種類も豊富になる。つっても、明確な判断基準はなくて、魔法師たちが雰囲気で判断しているらしい。一応、Eランクが初級魔法使用者、Dランクが中級魔法使用者、CランクとBランクが上級魔法使用者ってな感じの目安はあるみたいだが、そもそもこの魔法の等級自体も適当に決まってるらしくてな。同じ等級の魔法の中でも難易度にかなりのバラつきがあって、あんまアテにならねェんだよ。まあ、自分の力を知るためのおおよその目安、程度に思っときゃあ良い」
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