アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
魔法魔術講座10
-
「で、この極限魔法を使えると、その属性の精霊魔法のランクがSSSってことになる。という訳で、最高ランクの魔法師ってのは実質始まりの四大国の国王しかいない」
「……それじゃあ、この前のとき、あの人は切り札を使ったんですね……」
極限魔法とやらを発動してのけた赤の王はすごいが、それはつまり、切り札を使わなければあの状況を打破できなかったということではないだろうか。それほどまでに、帝国軍というのは強いのだろうか。
ほんの少しだけ不安そうな色を滲ませた少年だったが、しかしグレイはあっけなく彼の言葉を否定した。
「いや、それはちょっと違うな。確かに極限魔法は四大国の王しか使えない脅威的な魔法だが、実は更に上がある」
「更に上、ですか?」
「ああ、極限魔法を越え、真の最高威力と難易度を誇る、究極の魔法。……始まりの四大国の王のみが奇跡的に発動できるという、神性魔法だ」
「神性魔法……?」
それこそ、耳に馴染みのない単語だった。しかし、少年が知らないのも無理はない。この魔法については、知っている者の方が少ないくらいだろう。
「神性魔法ばかりは、俺もほとんど知らない。何せ文献がほとんどない上、滅多に使われることがない魔法らしくてな。ここ千年以上使用された記録がねェんだ。だけど、その魔法が存在するのは確かだし、四大国の王に受け継がれてるのも確かだ。なにせ、うちの王様がそう言ってたからな」
そう言ったグレイが更に説明を続けようと黒板を振り返ったそのとき、窓の開く音と共に、少し冷たい冬の風が部屋に吹き込んできた。何事かと振り返ったグレイと少年の目に映ったのは、
「そうは言うが、神性魔法などそうそう簡単に発動できるものではないからなぁ。実質、極限魔法が切り札だという認識で良いのではないだろうか」
他でもない、赤の王国グランデルの国王、ロステアール・クレウ・グランダであった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 216