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魔法魔術講座14
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王宮に帰った少年は、ようやく本来の目的であるグレイの講義に戻ることができた。
自分の意思でないとは言え、形としては勝手に脱走したも同然のことをしたのだ。きつい雷が落ちるのを覚悟し怯えていた少年だったが、実際のグレイは特に態度を変えることもなく、王の乱入に遭うまでと同じ調子で講義を再開してくれた。
「あのポンコツ王のせいで色々と予定が狂ったが、取り敢えず、あー……、魔術については大体話したんだったよな? じゃあ次は、お待ちかねの魔導についてだ。これはまあ、帝国の歴史も交えながら話した方が判りやすいか……。取り敢えず、今日中に魔導の基礎的な部分までは把握して貰うぞ。そんで、明日からは実技も交えてより詳しく教えていく」
「え、実技って、僕が実技をするんですか……?」
「オマエ以外に誰がいるんだよ。使い物になるかどうかは置いておくとしても、何ごとも体験することは大事だ。やって初めて判るってこともあるだろうしな」
「は、はぁ」
「……心配しなくても、オマエに魔術を使いこなせなんて言わねェよ。取り敢えず触れてみろってだけだから、まあ気楽にやれ。そんなことよりまずは魔導だ。どうせ魔導のことは魔法や魔術以上に知らねェんだろ?」
言われ、少年が頷く。
「はい。一応、空間魔導? とかいうのは、間近で見たんですが……」
「らしいな。そのとき、黒い竜みてェなのがいただろ? あれがあの帝国の奴、……デイガーっつったか? アイツの契約者だ。ま、使い魔みてェなもんだと思えば良い。その契約者の力を借りて現象を引き起こすのが、魔導だ。そういう意味では少しだけ魔法に似てる、っつーとこの大陸の連中に怒られそうだが、実際、魔導と魔法は似ていると俺は思う」
言いながら、グレイが黒板に図を描いていく。
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