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魔法魔術講座18
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時は少し遡って、王宮に戻った王が少年と別れて来賓室に向かう途中のこと。国王は、隣を歩く宰相レクシリアのお小言を聞かされていた。
「国賓をお招きするのでしたら、今後は必ず事前にお知らせください。というか、以前もこのようなお話をさせて頂いた覚えがあるのですが」
「そうは言われても、明確に約束した訳ではなく、そちらの仕事が済んだら適当に尋ねて来てくれ、という程度の口約束だったしなぁ」
「言い訳はおやめください陛下。恐れながらこのレクシリア、思わず手が出てしまいそうになりました」
「今更何を言う。日頃からぺんぺんぺんぺんと軽々しく手を出しているではないか。脚が出ているときもある」
「時と場所は選んでおりますので」
きっぱりと言ったレクシリアに、王が肩を竦める。
確かにこの幼馴染の宰相は、基本的に二人きりでないときや公務中に敬語を外すことはない。時折、堪忍袋の緒が切れたときに罵詈雑言を吐き出すことはあるが。
「しかし、まさかヴェールゴール国王陛下をお招きだとは、思いもよりませんでした。他国の王陛下がいらっしゃったというのに、お迎えの準備もできていなければ、肝心の我が国の王陛下もいらっしゃらない、という最低極まりない状況に置かれた私の気持ちが、陛下にはお判りになりますか?」
「なんだか以前も似たような小言を聞いた覚えがあるなぁ」
「そうでしょうとも。あのときはシェンジェアン女王陛下でした。事前連絡もなく突然訪ねていらっしゃった女王陛下も女王陛下でしたが、恒常的に行方をくらましている王陛下も王陛下です」
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