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御指導
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こんな手のこんだ嫌がらせまでしてくる生徒会長からさっさと証拠を奪わねえと、どんどんおかしなもん量産されそうだ。
決意を新たにした俺は、無意識にゴクリと喉を鳴らしていた。
それに気付いた生徒会長は、なぜか眼鏡の縁を指でソワソワ擦りだした。
「ど、どうだろうか⋯最後のページは、君が来る前に慌てて作ったものだが。
他は、この春から推敲を重ねていたんだ」
「⋯は?
春からこれ作ってるって⋯俺への嫌がらせ目的じゃねぇのかよ」
「嫌がらせ⋯?
今から御指導願う君に対して、なぜ嫌がらせを?
大学デビューに必要なことを教えて貰うにしても、まず私がどの程度知識があるかを分かって貰った方が良いかと思い、師匠を定める前から準備していたものだが」
「はぁ?
大学デビューって⋯あんたが?
マジで言ってんのかよ」
七三眼鏡に首元まで閉じたシャツのボタン。
埃一つついてない黒のスラックスは、アイロン跡もビシッとついてて隙がねぇ。
堅苦しさのド見本の口から大学デビューってなんじゃそりゃ。
からかわれてんのかと思ったが、生徒会長はいたって真剣。
少しの反応も見逃すまいと迫ってくる切れ長の瞳は、眼鏡越しだとめちゃくちゃ威圧的で思わず一歩下がってしまった。
え、本気で言ってんの?
「倉庫に入ってからの雰囲気づくりにもそつがなく、相手に自ら服を脱がさせるまで最速3分。
神業の君に、是非私の大学デビューを御指導願いたい」
資料から離していた左手を両手で包み込むように握られ、逃げる間もなく離れた距離以上に詰め寄られていた。
なんで男同士で至近距離の見つめ合いしなきゃなんねぇんだよ!
吐いた息が俺の顔に掛かるわっ
ミント臭え。
口臭対策も万全かよ。
「大学デビューのために必要な諸事項をしっかりと伝授してくれた暁には⋯そうだな、勉強なら教えることが出来る」
「いや、そんなもんよりこの元データを寄越せ。
コピーしてんなら、全部消せ」
こっちは、大学進学なんて考えてねぇから留年しなきゃ良いんだよ。
生徒会長の家庭教師なんざ、見返りじゃなく苦痛でしかねぇわ。
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