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委員会の前に
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──キーンコーンカーンコーン
「起立、礼」
「ありがとうございました〜」
四限が終わった。みんなそれぞれ席につく。俺も席に着こうとした時スマホが震度する。立ったまま確認すると画面には『東郷先輩』の文字。こ、これは、…呼び出し的なのくるか??と震える指先で画面をタッチする。
『5分以内に2年3組』
「…」
思わず言葉を失い立ち尽くす。
ガチもんの呼び出しじゃん体育館裏じゃないだけよかったかな?やばい、急がないとシメられる。
ハセが『ゆ〜ま〜食堂行こ〜』とか言ってるけど返事をする余裕もなく机上の教材をカバンに詰め込む。パシられそうだしとりあえず財布だけ持ってそのままバタバタと教室を出て2年3組を目指した。
「あぁぁぁ?2年3組ってどこだよぉぉ!」
走り回って数分。まだ5分は経っていないが、そう。俺は自分が方向音痴だと言うことを忘れていた。
またいいタイミングで西田先輩現れないかな〜なんて思いながら走っていると角を曲がってきた人と正面衝突する。
「いてっ」
「あぁごごごごめんなさい!」
急いで謝るとぶつかった人は薄い体を折りたたんで俺を覗き込んでくる。東郷先輩みたいな綺麗な顔と鮮やかな紫が視界を占める。金の次は紫?この学校、頭がカラフルだなぁ。
数秒ボケーっと紫を眺めていると紫先輩はハッと目を見開いて叫んだ。
「あ〜!きみ!キノコくんだ!」
「えっ、」
『きのこ』、俺の事をそんな変なあだ名で呼ぶのは金髪ヤンキーしかいない。ピシッと固まる俺を他所に紫先輩は俺の二の腕をガシィっと掴み歩き出す。
「連れてってあげる〜。りっくんがね〜面白い1年がいるって言ってたんだぁ〜意外と普通でガッカリ〜」
「…平凡でスミマセン」
「全然気にしないでいいよぉ」
いやいや…なんで俺が謝ってるんだ…?
この先輩、お世辞も言えないアホなのか…?
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