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部屋へ戻ると左のベッドの上で携帯をいじる桐谷くんがいた。
「誰かとメール?」
最近は一切話さなかったのに、なぜだか声をかけていた。
「別に、椿には関係ないだろ」
1度もボクの方を見ずに背を向けて。
とても寂しい。
数週間前までは、彼の笑顔を独り占めしていたのはボクなのに。
今は、女の子に向けられている。
もしも女の子だったら。
雑誌に載ってるような胸の膨らみがあったら。
可愛い声だったら。
なんで、ボクは女の子じゃないのだろう。
無い物ねだりと同時に、桐谷くんへの独占欲がボクの中へ芽生えた。
背中を向けた彼の赤く染った顔をまだ誰も知らない。
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