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学校では桐谷くんとほとんど話さない。
だから他の子は桐谷くんと同じ部屋の男の子って印象しかなく、仲良いとは思われていないみたいだ。
まぁ、桐谷くんは人気者だけど派手に立ち回ってるせいか女の子同士での揉め事も多いみたいで、ひっそりと過ごしたいぼくにはモブ程度に思われている方がいい。
なんて平和に過ごしていたのに突然耳に入ってきた言葉にひっくり返りそうになった。
「今日は桐谷くんつばきって子にOK出したみたいだよ」
「いーなー、私なんて名前普通だから見向きもされないよ」
聞き間違いでなければ『つばき』と聞こえた。
いや、きっとぼくのことでは無い。
分かりきっている。
同じ名前で女の子ってだけで桐谷くんから愛される事が羨ましく、妬ましく、また黒い感情に支配されそうになる。
ねぇ、桐谷くん。ぼくだって椿なんだよ。
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