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日々
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「下着返せ」
なんと言っても今の俺はノーパンなので、結局またトイレで着替える羽目になった。窮屈な個室に二人で向き合い、攻防戦を繰り広げる。
さっきは彼の掌の中におさまったから体操着を汚さずに済んだけど、もうこんなヒヤヒヤは嫌だ。あとスースー。
「いいじゃん。望、隠れ露出魔の素質あるよ」
「ねーよ!! それに制服のズボンだとチャック当たって痛いんだよ!」
恥ずかしかったが、あえてジッパーを下ろして見せつけた。しかし光義は無情にも俺の下着を自身のポケットに仕舞い、扉の鍵を開けた。
「明日ちゃんと学校に来たら返してあげる」
「はあぁああぁっ!?」
追いかけようとしたが、間抜けな恰好に気付いて慌ててズボンを引き上げた。対する彼は爽やかに目を眇め、先へ行ってしまう。
明日返してくれる……とは、とても思えない。むしろ明日履いてったパンツも奪われそうな気がしてる。
「光義! この変態! 性犯罪者! 捕まれ!」
廊下に飛び出した後も、やっぱり恥ずかしくて身体が震えた。
俺達の関係は誰にも見えない。俺のズボンの下も……誰にも見えてないけど、あいつにだけは見えている。
怒りと羞恥がおさまらず、その場で地団駄を踏んだ。……望に痺れを切らし、光義は来た道を戻って彼の手を引く。
「大丈夫。ちゃんと返してあげるから……今日から一緒に帰ろ?」
「……っ」
信用していいのだろうか。今のところ全細胞がアラートを出してるんだけど。
下着という人質の為、彼の腕の中におさまる。拒否権はなくて、多分心底復讐する気もない。まだあの快感が頭に張り付いているから。
……視られることも、直接触られるのも気持ちがいい。
きっと、俺もこいつのやばい性癖が伝染ったんだ。
「望、大好き」
「俺は大嫌い……」
彼の鬱陶しい愛撫を振り払いながら、これから始まる騒々しい日々に頭を抱えた。
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