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正直者
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「....」
「.........」
「.....ぷっ、あはっ、はははははは!!」
一瞬流れた沈黙は、男の高らかな笑い声にかき消される。
さっきまでの怪しげな雰囲気はどこに行ったのか、楽しそうに笑う美男。
「......っ..////」
お腹を鳴らせた張本人である俺は、恥ずかしさの余り顔をさげ頬を真っ赤に染めあげる。
「ははっ、本当に可愛いなぁもう」
目頭に浮かんだ涙を拭いながら男は、ニコリと微笑んだ。
...つか、そんな笑わなくてもいいだろ!
「お腹、すいたの?」
「.....」
優しげに問いてきた男を見つめ、俺はコクンと首を下げた。
「ふふっ、おもしろいなぁ。でも残念。俺、料理できないんだよね」
「...なんだよそれっ!」
てっきり作ってくれると思っていた俺は、予想外のカミングアウトについ声を荒げてしまう。
「努力はしてるんだけどね。料理できる?」
「か、簡単なものなら」
「それは頼もしいルームメイトだ」
そう言って微笑んだ彼は、思わず息を飲んでしまうほどかっこ良かった。
「...ごはん、作るけどアンタも食べる?」
「!!..ありがとう。材料ならいっぱいあるよ、努力はたくさんしてるから」
そう笑う彼から目をそらして、俺は、逃げるように台所へと立ち去ったのだった..。
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