アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ナマエ
-
それから俺たちは食事を終え、男と一緒に荷物の整理をしていた。
「ごはん、すごい美味しかったよ」
「...別にあんなの簡単だし」
いつもは自分が食べるために作ってきただけで、実は他人に食べさせるのはあれが初めて。
お世辞だったとしても、美味しいと言われるのはどこか恥ずかしいものがある。
火照る頬を隠すように、俺は目線を下にやると変態は楽しそうに微笑みながら、俺の顔を覗き込んできた。
「優真、照れてるの?」
「!!」
いきなり眼前に現れた美形と、前置きもなしに呼ばれた名前に、俺はビクリと跳ね上がる。
「なん..っあ..な、名前..!!」
「ん?あ、優真って呼んじゃだめ?」
「いや、だ、だめつーか...!!なんで知ってんだよ、名前」
「なんでって、さっき自己紹介してくれたでしょ?玄関の前で」
「あ..」
そこまで言われて、最初のときに名乗ったことを思い出した。
思わぬ再会を果たしてしまったことに気を取られてすっかり忘れてた..。
「そういえば、まだ俺の名前知らないよね」
「あ、うん。聞いてない」
そういえばまだコイツの名前を知らなかった。
俺だけ知られてるってのもなんか気に食わないし、一応これから一緒に住むんだから聞いとかないとだめだろう。
「俺は、結城 蛍汰。改めてよろしく」
ゆうき、けいた..
何処かで聞き覚えのある名前を、頭のなかで復唱する。
どこで聞いたんだっけ?
「あ」
何処で聞いたのか。誰の名前なのか。
思い出した俺はつい、声をあげた。
結城 蛍汰。
巡が言っていた..
「王子様...」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 93