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朝は弱いから side上尾優真
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「ん...っ..」
モゾモゾと身体を動かして、俺は重たい瞼をゆっくり開けた。
「ん、起きた?」
目の前いっぱいに広がる肌色。
程よい筋肉のついたそれは、蛍汰の胸元だった。
「んん...はよ」
「おはよう優真」
何とも心地よい声。
眠気を誘う声に、瞼がどんどん重くなる。
「んー...」
あと五分くらい寝たって別に構わないだろう。
学校は近いんだし、慌てる必要もない。
完全に寝る態勢に入った俺は、いい感じに俺を包み込む彼の身体を抱き枕のように抱きしめる。
一瞬、ピクリと動いた気がするけど、眠い俺にはそんなこと気にしている余裕はなかった。
「優真、起きないと」
「ん...」
「おーい?」
「んん...五分だけぇ...」
頭上で、軽いため息が一つこぼれた。
「ふあぁ..あ..」
顎が外れそうなくらい大きな欠伸を一つする。
「優真、パンなにたべる?」
「...あー..うん」
嫌々起きた俺は、いまだ去ってくれない眠気と戦いながら、意味のない返事を返す。
そんな俺に、蛍汰は笑いながらクロワッサンをくれた。
「優真、朝弱いんだね」
「んー?んー..うん」
ちゃんと受け答えが出来ていない俺を笑う声が聞こえてくる。
本当は怒ってやりたいけど、目すらまともに開かない今の状態では、それも難しい。
「ちゃんと食べないと頭働かないよ?」
「んーっ...んん」
ぐりぐりと頭を撫でられて、体重があっちこっちに移動する。
お前はお母さんか、なんて思いながらも気持ちのいいソレにされるがまま。
「ふふっ、かわいい」
「ん"ー..」
可愛くない。そう言いたいのに音が言葉になってくれない。
...ちゃんと目覚めるまでには、まだ少し時間がかかりそうだった。
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