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学食にて予想外の、
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キーンコーン...
随分と聞きなれた音は、午前の授業の終わりを告げるものだった。
「あー..、やっと終わった」
力つきたように机に突っ伏する八重の肩をちょいちょいと叩く。
「まだ半日残ってるよ、学食いこう」
「おーう、今日は何食うかな」
「八重は寮生でしょ、ずっと学食ばかり食べて飽きないの?」
「ばっかもん、美味いからいいんだよ」
肉だ、あそこは肉が一番うまい!
ぐっと拳を握りしめ、そう熱弁する八重に苦笑を漏らしながら俺たちはその足を学食へと向けた。が...。
「結城くんも学食いくの?」
「よかったら一緒に...」
「ちょっと抜け駆けしないでよ!」
「結城くーん!」
教室を出た途端にコレだ。
ここぞとばかりに群がり、甲高い声をあげる女子生徒たち。
なんで、ろくに話もしたことのない子たちと一緒に昼食を取らなくてはいけないのか..。
「ごめんね、友だちと食べるから..」
「お友達には迷惑かけないから」
「隣に座るだけでいいの!」
「じゃあ、食堂まで一緒にいきましょ!」
ぐいぐいと諦めることなく食いついてくる彼女たちに、作った笑顔さえも引きつっていく。
「おいこら蛍汰、さっさと行くぞ」
「う、うん」
イライラと青筋を立てる八重に急かされ、やっとの思いで食堂に着いたときには、女生徒たちの数は倍近くになっていた。
なんで学食に行く度にこんなことになるのかな。
女性という生き物は、つくづく恐ろしい。
「おいこら蛍汰、お前これどうしてくれんだ」
「俺に言わないでよ、はやくしないとご飯食べる時間なくなっちゃう」
「だれのせいだよ」
「...俺のせいじゃない」
ふざけんな、と肘で横っ腹を殴られながら、笑顔で女の子たちの対応をする。
一年生はまだ入ってきたばかりだから、話しかけてこず遠くから見つめてくるだけ。
「それが唯一の救いだよ..」
「あ?なにいってんだ」
苦笑しながら少し遠くに目を向けて、
俺は、視界に入ってきた男の子に目を留めた。
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