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優真の友人である金髪の少年、もとい日比谷巡くんの了承を貰い、俺たちは昼食に相席させてもらうことになった。
優真は気まずそうに箸をすすめ、日比谷くんはチラチラと此方を伺いながら、先ほどから何度もスプーンを落としそうになっている。
そんな二人の対照的な様に微笑みながら俺も自分の昼食に手をつけた。
「ゆ、結城先輩は優真と知り合いだったんですか?」
もろ緊張しているオーラを出しながらも話しかけてきたのは、優真の友人の日比谷くんだった。
「うん、昨日はじめてあったんだ」
「そ、そうなんですか」
俺と優真が会った経緯が知りたいのか、日比谷くんは期待を込めた眼差しを俺と優真に交互に送る。
そんな様子に呆れ果てたのか、ずっと黙っていた優真がゆっくりと口を開いた。
「蛍汰とはアパートが同室だったんだよ」
「...え?..は!?なんだよそれ!俺きいてねぇぞ!」
「俺だって知らなかったし。知ってたらアパートになんて引っ越してないよ!」
「ズルすぎるぞ優真!」
やっぱり同じ年の友人だからだろうか、俺と話しているときよりも優真の口調や声色が自然に聞こえる。
なんとも仲よさげな会話を聞きながら、日比谷くんを羨ましいと思ってしまう。
あと数ヶ月遅く産まれていたら、俺も優真とそんな風に喋れていただろうか?
「俺も、誰が一緒に住むのか知らなかったから優真を見たときびっくりしたよ」
あの時のことを思い出すと、自然と笑みがこぼれてしまう。
「びっくり?なんかあったんですか?」
「ああ、優真とはその日の朝の電車でも会っていてね」
そう言って微笑むと同時、優真はカシャンと箸を床に落としゴホゴホと盛大にむせはじめた。
きっと電車内であったことを思い出してしまったんだろう。
「け、蛍汰っ!黙ってくえよ!」
「ふふっ、ごめん」
あからさまに慌てはじめる優真に和みながら、俺は昼食を口に運んだ。
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