アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
気持ち悪い原因
-
日比谷くんと優真と他愛ない話をしながら、ふと俺の隣に座っている男が静かなことに疑念を抱く。
八重は人見知りするようなタイプではないから、普通に話に入ってきてもおかしくないんだが..。
「八重、どうかしたの?」
「んあ?いや別にどうも..」
優真に向けていた視線を向ければ、八重はばつが悪そうにバッと視線を逸らした。
どう見ても、何もない人の反応じゃない。
それでも何となく追求しにくくなってしまった俺は、チラチラと隣の友人を気にしながら食事を終えた。
「じゃあ、優真あとでね」
「うん」
「日比谷くんも、またね」
「は、はい!今日はありがとうございました」
手を振って二人と別れる。
八重と二人きりになってその足を教室へ進めていると、ふと八重の足が止まった。
「...なんだよあれ」
聞こえるか聞こえないか程の小さな声で八重が呟く。
「え?」
「なんだよ、あの気持ち悪い顔」
「...はい?」
「あんなヘラヘラした顔して..、お前まじキモかったぞ」
そう言った八重は、きっと心の底からそう思っているんだろう。
向けられた顔は、あり得ないものを見るかのように酷く引きつっていた。
「......」
食事中やけに静かだと思ったら、そういうことか。
「朝から様子が変だとは思ってたけど、原因はあれかよ」
やっと納得がいった、と頷く八重。
それを見て、俺は重いため息を一つ落とす。
「あんな風に笑うお前はじめて見たわ。キモすぎて吐くかとおもった」
「そろそろ黙ろうか」
「優真、だっけ?そんなにお気に入りなのかよ」
「別に、そんなんじゃないよ」
「...ふーん」
「なにその間は」
「別に?..あの一年気の毒だな」
寒気が止まらん。
そう言って、八重は嫌味ったらしく笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 93