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side上尾優真
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昼食を蛍汰と食べるという予想外すぎる展開に驚きながら、改めてあの男の人気を知った。
巡からは色々聞いていたけど、食堂の前でみたあの光景はまさに芸能人とファンの群がり、といったところ。
この学園内で一番人気があるといっても蛍汰は同じ高校生だ。
この学園では、あれが普通なのだろうか?
そうだとしたら、蛍汰にかかる負担はどれくらいなんだろう。
悶々と考える俺の肩を、トントンと巡が叩く。
「どうしたんだよ」
「あ、いや。べつに」
「そうか?...てか、おい。お前結城先輩と同じ部屋なのかよ!」
「...またその話?」
「あたりまえだ、もっと詳しく聞きたい!」
蛍汰と別れてから、巡はずっとこの調子。
蛍汰には怖くて聞けなかったことを、根掘り葉掘り聞こうとしてくる。
「別に、詳しくもなにも..。俺の部屋にいったら蛍汰がいたってだけだよ」
「結城先輩んとこに誰かが入るなんて噂なかったんだけどなぁ。てかなんで下の名前で呼んでんだよ、しかも呼び捨て!」
「名前はあいつが呼べっていったから」
「まじかよ、優真かなり気に入られてんの?」
「は?なんで」
「だって噂じゃ結城先輩って結構ガード堅いらしいし、会ったばっかりのやつに名前で呼んでなんて言うような人じゃないだろ」
「同室者だからじゃないのか?それに、多分噂とはかなりかけ離れてる性格だと思うけど...」
「は!?どういうことだよ!」
何気無く呟いた言葉。
何かを意識していったわけじゃないけど、巡は目を見開いて大げさな反応を見せた。
「噂とかけ離れてるってなに!?ルームメイトしか見れない顔ってやつ!?」
見る見るうちにキラキラと輝きだす巡の瞳。
テンション右肩上がり状態の巡とは裏腹に、俺はだんだんとそのテンションについていけなくなって来ていた。
「興奮しすぎ、いったん落ちつけよ」
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