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ベッド行こっか。
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遠くで建て付けのあまりよくない玄関のキィという独特な音がした気がした。
しかし、今の俺にそんなことを気にしている余裕はない。
「け、蛍汰..さん?」
「なんで"さん"なんてつけるの?」
「え、...なんか怒ってるかなぁーって」
「怒ってないよ?怒ってないけど、仮に怒ってたとして何で怒ってるか優真分かる?」
「やっぱり怒ってんじゃん!」
「怒ってないってば。だから、ほら答えて」
「え、えー...」
美琴さんに怒ってた理由は、俺を使って蛍汰の反応を楽しんでたからだろ?
あとすごく騒がしかったから?
美琴さんから逃げる為とはいえ俺も結構騒がしくしてしまったけど、蛍汰が不機嫌な理由は多分そこじゃない..よな...?
美琴さんにくっつくな、みたいなこと言ってたし蛍汰は俺に美琴さんの側に居て欲しくなかったってこと?
でも何で。美琴さんいい人だったし。ちょっと悪ふざけしすぎだったけど。
蛍汰だって何やかんやで別に美琴さんのこと嫌いってわけでもないと思うし。
「う、うーん...」
ぐるぐると頭をかき乱して考えても、これだと言う答えが出てこない。
蛍汰の行動が謎すぎる。
さっきだって、たかが悪ふざけで蛍汰があそこまで不機嫌になったのも俺はすごく疑問に感じたんだ。
ダメだ。ぜんっぜん分からない。
「...分かりません」
ちょこんっと正座をして、様子を伺うように目線だけを蛍汰に向ける。
俺なりの反省してますポーズだ。
すると蛍汰は、はぁっと軽くため息をついた。
「そんな可愛い顔したって許してあげないよ」
「え、」
可愛い顔なんてしてないけど、今はそんなことどうでもいい。
許してあげないって言われた。
どうしよう、嫌な予感しかしない。
「け、蛍汰?」
「んー、ベッド行こっか」
「え、」
さっきまでの恐ろしい笑顔はどこへ行ったのか。
キラキラと眩しい笑顔でそういい放った蛍汰。
なんでベッド!?というか何で機嫌治ってるの!?
というか、なんでベッド!?
状況が理解出来ないまま、俺は蛍汰に寝室へと引っ張られた。
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