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考え出すと何もかもが分からなくなる。
俺、怒ってたはずなのに。朝は本当に、最低って思ったんだ、蛍汰のこと。
でも、それは一過性のもので今は蛍汰とぎこちなくなるのがつらい。
それでも、自分から今朝のことを話すなんて..どうやって切り出せばいいのか分からない。
考えても考えても、まとまらない。
そんな俺を横目に、蛍汰は制服を脱ぎそそくさと部屋を行き来する。
(..どうしよう、どうしよう)
蛍汰はどう思ってるんだろう。
俺が怒ってるって思って話しかけてこないんだろうか?
それとも、もう俺のこと嫌いになったとか?
...いやいやいや、どっちかというと悪いのあっちだし。
(...でも、流されたのは俺だし..)
考えれば考えるほど答えはもっと分からなくなる。
だんだんと、頭の奥が痛み始める。
いつも使わない頭を使うからこんな事になるんだ。
...もしかして、ずっとこのまんまなんだろうか。
もう、ずっと蛍汰とはぎこちないままなんだろうか。
まだ一緒に暮らし始めて一週間しか経っていないのに。
「ねぇ、優真」
じいっと笑うこともなくテレビと睨めっこしている俺に、蛍汰が話しかけてきたのはそんな時だった。
「え、あ、なに」
何を言われるんだろうと、ドキっとする。
「..お腹すいたんだけど、ご飯たべちゃった?」
「.....」
「...優真?」
「あー..いや、まだ、です」
予想の斜め上、もとい斜め下を言ってくれた彼につい敬語になってしまった。
そりゃもうとっくに7時過ぎてるし、お腹はすくだろうけど!
蛍汰帰ってこないからご飯食べずに待ってたけど!
なんか、さっきまで重いこと考えていたのが一気に馬鹿らしくなった。
「ご、ごはん。たべよっか」
「うん」
それでも、さっきまでの重い雰囲気は何処かへ消えてなくなってくれた。
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