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side 結城 蛍汰
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あの日の朝、理人さんと話してからというもの俺の頭の中は優真のことでいっぱいだった。
放課後の今も、席に座ってうんうんと考えていた。
俺は、優真のことが好きなのだろうか。
今まで誰かに好意を持ったことはおろか、そういったことに興味を持ったこともない為か、俺にはあまり実感がわかない。
...というか、考えてもあまりピンとこないのだ。
確かに優真は可愛い。
誰かを可愛いなんて思うことさえ、自分でも珍しいとは思う。
でも、可愛いと思うイコール好きになるとは限らない。
こんなこと、真面目に考えたことがないから終着点がまったく分からない。
「....はぁ」
考えても考えても答えは纏まってくれず、ついため息がこぼれてしまった。
「なんだよ、気持ち悪りぃな。ため息なんかついて」
悩んでますオーラ全開の俺が珍しいのか、前の席に座る八重は怪訝な顔を隠しきれていない。
というか、多分彼の場合は隠す気がないんだろう。
「..八重はさ、好きな人とかいる?」
「は?」
「え、いるの?」
「いねぇよ」
「....なんだ。つまんな」
つい、ぽろっと本音がこぼれてしまった。
ピキッと彼の額に青筋が見えた気がしたけれど、見なかったふり。
「てか、何お前。珍しく悩んでると思えば恋愛ごとかよ。俺に相談とかすんなよ?」
「なんで」
「お前の悩み相談とかキモすぎて吐くわ」
もはや友達とは思えない言動だよね。
まぁ、確かに俺が誰かに相談するなんて滅多にないことだけどさ。
「あれか、ちょっと前に一緒に飯食った優真ってやつのことか」
「...地味に気になってんじゃん」
「うるせ。悩むのも結構だけどな、お前歓迎会どうすんだよ」
歓迎会?
突飛もなくいきなり変わった話題に、俺はコテリと首を傾げた。
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